■特別展「源氏物語 王朝のかがやき」
先週のNHK Eテレ「日曜美術館」は,「千年ずっと源氏物語が好き」と題して,現在公開中の展覧会「源氏物語 王朝のかがやき」の模様が紹介されていました.
その中のひとつが,徳川美術館所蔵の国宝,源氏物語絵巻から,第三十六帖「柏木(一)」
ここに描かれている3名の主要人物,皆さん,何やら涙を流されている様子です.
番組内では,そこに描かれている几帳や畳の縁の乱れが,その場の不穏さを表現している,と解説されていて,なるほどと納得していたのですが,果たして,お三方の心中は....
女三宮 「一時の気の迷いとはいえ不倫だなんて,お天道さんに顔向けでけへんわ」
光源氏 「妻の密通は,俺の老いのせいか,昔は逆やったのに」
朱雀院 「なんやよう分からんけど,泣いてる娘が不憫や」
皆さん,微妙にベクトルが異なっているようです.
見た目は同じようでも心中はバラバラ,こう考えたときに,一つの古典落語を思い出しました.
■焼き塩
田舎から奉公に出てきた娘さん,実家から手紙が届いたのですが,残念ながら字が読めません.
近くにいたお侍に手紙を代読してもらったのですが,涙ながらに,
「残念,もはや手遅れ」
との返答.
これを聞いた娘さん,親の身にただならぬことが起こったと思い,思わず涙をこぼします.
さらには,そこに通りかかった焼き塩屋(焼いて精製した塩を売り歩く塩売り)が二人の様子を見て,身分違いの恋を親に引き裂かれたのだと,勝手に思い込んでもらい泣き.
関係なさそうな三人が,なんで路上で一緒に泣いてるのや,と野次馬が集まって....
という噺です.
この噺は江戸時代の作品とされていますが,三人の人物が同じ場所で泣いているのに,それぞれの思いは別々.
まさに「柏木」のワンシーンを彷彿とさせますが,もしかすると当時は,これが源氏物語をモデルとしていることは半ば常識だったのではないでしょうか.
雅な王朝の景色と世俗的な景色との対比,昔の庶民の方が,よほど深く物事を楽しむ術を心得ていたのかもしれませんね.
先週のNHK Eテレ「日曜美術館」は,「千年ずっと源氏物語が好き」と題して,現在公開中の展覧会「源氏物語 王朝のかがやき」の模様が紹介されていました.
その中のひとつが,徳川美術館所蔵の国宝,源氏物語絵巻から,第三十六帖「柏木(一)」
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| 左端から中央にかけて描かれている お姫様,貴族,お坊さんが, 今回の主役 |
ここに描かれている3名の主要人物,皆さん,何やら涙を流されている様子です.
番組内では,そこに描かれている几帳や畳の縁の乱れが,その場の不穏さを表現している,と解説されていて,なるほどと納得していたのですが,果たして,お三方の心中は....
女三宮 「一時の気の迷いとはいえ不倫だなんて,お天道さんに顔向けでけへんわ」
光源氏 「妻の密通は,俺の老いのせいか,昔は逆やったのに」
朱雀院 「なんやよう分からんけど,泣いてる娘が不憫や」
皆さん,微妙にベクトルが異なっているようです.
見た目は同じようでも心中はバラバラ,こう考えたときに,一つの古典落語を思い出しました.
■焼き塩
田舎から奉公に出てきた娘さん,実家から手紙が届いたのですが,残念ながら字が読めません.
近くにいたお侍に手紙を代読してもらったのですが,涙ながらに,
「残念,もはや手遅れ」
との返答.
これを聞いた娘さん,親の身にただならぬことが起こったと思い,思わず涙をこぼします.
さらには,そこに通りかかった焼き塩屋(焼いて精製した塩を売り歩く塩売り)が二人の様子を見て,身分違いの恋を親に引き裂かれたのだと,勝手に思い込んでもらい泣き.
関係なさそうな三人が,なんで路上で一緒に泣いてるのや,と野次馬が集まって....
という噺です.
この噺は江戸時代の作品とされていますが,三人の人物が同じ場所で泣いているのに,それぞれの思いは別々.
まさに「柏木」のワンシーンを彷彿とさせますが,もしかすると当時は,これが源氏物語をモデルとしていることは半ば常識だったのではないでしょうか.
雅な王朝の景色と世俗的な景色との対比,昔の庶民の方が,よほど深く物事を楽しむ術を心得ていたのかもしれませんね.
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| 焙烙などで軽く炙って余分な水分を飛ばすことで, サラサラで味がまろやかになるのだとか. |


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