2026-09-30

【特撮】Thunderbirds Are Go!

MCMLXIV:1964年制作とは思えない完成度
制作年度をローマ数字で表記するのは,
旧くなってもそれがすぐに分からないようにするため,
と聞いたことがありますが,本作に限っては問題無し!


"Five, Four, Three, Two, One....Thunderbirds are go!"
このナレーションに胸をときめかせた少年たちも,今や立派な中高年.

国際救助隊の活躍を描く「サンダーバード」が日本で初めて放送されたのが,ちょうど60年前の9月30日なんだそうです.
陸・海・空・宇宙を舞台に救助活動に勤しむサンダーバード1号から5号,そして幾多の救助用メカ.
60年も昔のSF劇で現代でも十分に楽しむことができる作品って,何があるでしょう.

「2001年宇宙の旅」? 確かにこれは,永遠の名作.他には?
「スターウォーズ」? うーん,十分に楽しめるけど,まだ60年は経っていないかな.
いずれにせよ,これらの名作と肩を並べることができる「サンダーバード」,最高過ぎます!

ちなみに,「サンダーバード」作中に登場するカレンダーは,なんと2026年となっています.
現在,これらの話は実際に起こりうるのか?
まだまだ実用化は先の話もありますが,一部は現実のものとなっているもの(ロボットとかAI技術とか)もあり,制作当時の先見の明には頭が下がります.

ということで今回は,いまだに色褪せないサンダーバードの魅力について,種々書いてみます.

■アナログ感:メカの造りこみ,塗装のこだわり,リアルな動きの追求
国際救助隊の主要メカは言うの及ばず,各話ごとのゲストメカの造りこみには,ひたすら驚くのみです.
当時はCGなど考えられなかった時代ですから実際に造るしかないわけですが,ほんの一瞬しか映らないモノに対しても一切の妥協を許さず,細部に至るまでしっかりと造られています.
車輪やキャタピラのような大きな部品から,レバーやつまみのような細かいパーツまで,その一つ一つに存在理由が与えられているかのようで,その形状のみならず動きもリアルそのもの.
塗装についても,実際に使い込まれた機器類そのものにしか見えない汚れを再現していて,時間の経過とともにその状態も変化したりして,現実味にあふれています.
こういう細かい描写に,男の子は心を掴まれてしまうのです.

時間の経過と共にタイヤの状態も変化


■スーパーマリオネーション:現実離れゆえに純粋に楽しめる
ここで使われる人形ですが,ある意味,実際の人物以上の演技を見せてくれます.
セリフと完全にシンクロして開閉する口には感心するしかありませんが,目が光ったりぎこちない歩行だったり,現実ではありえない動きゆえにこれが100%の空想劇であることを無意識のうちに認識することになります.
なので,これがリアルなCGで造られていたら,「そんなことあるかい!」と突っ込みを入れたくなるような荒唐無稽な描写でも,ごく自然に受け入れることができるのではないでしょうか.

メアリー・ポピンズか,
はたまた落語「愛宕山」か


■ストーリイ設定:善悪の対決ではない
この手のドラマでは,主人公とそれに対する好敵手,あるいは勧善懲悪を描くことが多いと思うのですが,ここで描かれるのは純粋に人命救助に身を投じる国際救助隊のみ.話によっては敵対するような組織,人物が登場することもありますが,それらを攻撃することは主目的ではなく,あくまでも救助活動への支障を排除するに過ぎません.
これはもう完全に感情移入できる世界で,テレビの画面であっても,人形の目を通して見る世界,最高の臨場感ですね.
またハッピーエンドを迎えるのは自明の理でもあるので,純粋に救助のプロセスそのものを楽しめるというのも,分かりやすいと思います.

貴重な,銃撃シーン


■舞台設定:微妙に納得できる近未来
各話の時代は近未来,超光速での移動とか,自らの意思で自在に形状を変えられる金属とかは登場しない代わりに,その設定が,当時はあり得ない話で合っても微妙に納得できる設定になっています.
原子力旅客機,太陽へのロケット飛行,エンパイヤステートビルの移動等々,制作時には夢物語でも近い将来,ひょっとすると生きている間に目にすることができるかも,という絶妙な構想を全話にわたって見せてくれます.
SFの世界でありながら実体験を彷彿とさせる臨場感,このバランスが良いのでしょう.

現代でも,お城の天守閣移動は実現!


■情報の重要さ:1号,5号の存在理由
この番組をリアルに見ていた悪ガキ健全な男子には,圧倒的にサンダーバード2号が人気だったのではないでしょうか.
救助活動に必要な機器類をコンテナに積み込み,地上を移動したのちのカタパルト発進のシークェンス,そして現地での手に汗握る救助活動.
パイロットになるなら2号のバージル,と思っていた男子の一人が自分です.
逆に言うと,直接救助活動を行う機会の少ない1号や5号は,子供たちにとっては地味な存在でした.「5号が最高!」なんて言うやつとは友達になりたくなかったかも(笑
ところがそれから60年の後,ある程度人生経験を積んだオッサンになってみると,1号,5号の重要さが身に沁みます.
何をするにも,情報収集が欠かせない世の中,
5号が全世界の情報から必要な情報を抽出し,それに基づいて1号が現場に急行して実態を確認し,取るべき行動を決定する,なんて時代を先取りしたプロセスなんでしょう.
極論すれば,2号が現場に到着した時点で,救助活動の結果は決まっていたといえるかも.
今の大人たちにこそ,見ていただきたいプロセスです.

最前線司令所という,斬新な発想


まだまだ書き足らないこと,書き忘れていたことなどあると思いますが,とりあえずは,
国際救助隊に栄光あれ!

うーん,"ゴージャス"とはこのこと


 

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